住職、加藤良光の短歌・平成28年

折に触れ短歌を詠んでいます。

今まで詠み綴った短歌を掲載します。

 

(無題)

新しい年の始まり誓います常に前進常に反省

元旦の空の青さが気持ちいい松の緑も色新しい

豊橋の山と川見て新年の二日目過ごす晴天の下

三日目の朝のグランド試合前野球少年甲高い声

一月の四日の昼に導師する故人の声が思い出される

カルテには丁度同じ日来院と歯科医は告げる正月五日

朝九時と夕方五時に枕経交わした言葉思い出してる

祭壇の中の写真は笑まい顔九十歳の天寿全う

修正会の和讃唱えてお念仏一月八日月並みの夜

豊橋の斎場に来て時を待つ旧知の人と昔の話

豊田市の土橋町の寺参り岩手花巻思い出語る

 


成人式

笑顔にてサービスエリア歩いてる着物姿の女性数人

詠唱の二十八年初稽古和讃七曲御詠歌二曲

山頂は雲に隠れた伊吹山黄褐色の山肌見える

知恩院大方丈の松の間で御定め式の予行演習

玄関に春の先駆け金盞花オレンジ色が光っているね

梅の花一輪ずつに咲いていく心沸き立つ春の訪れ



 

御忌定式

知恩院門跡猊下自らの導師任命声を頂く

豊橋も駅を過ぎれば雪景色今年初めの視覚経験

雪の日の米原駅で動くものリズム正しいスプリンクラー

窓からは吹雪の中の滋賀平野家並み白く田畑も白く

雪解けて四条通りを歩いてる観光客も京都の人も



 

知恩院の三門

三門の屋根に残った白雪が冬日を受けて反射していた

雲間より雪の姿の伊吹山二十八年一月の朝

一月の二十二日の増上寺祖師の忌日の朝参り会

モーニング東京駅の千疋屋サラダフルーツそしてコーヒー

電柱の脇に咲いてる蝋※梅の甘い黄色が春を告げてるも

※蝋...原文は旧字体。

稜線に残雪見える伊吹山麓の町も一面の白