(無題)
東京のスカイツリーに初登り白雲ばかりガイド微笑む
吉右衛門主役番町皿屋敷疑う心恋の命運
雪被る滋賀の霊峰伊吹山厳としている男のようだ
花びらがオレンジ色の金盞花寒い朝でも光っているね
立春の濃尾平野に見えるもの刈田の先の雪山の列
立春の光りを浴びた伊吹山白い雪面鏡のようだ
冬の日の近鉄津駅ホームでは凍えながらも旗振る車掌
冬空に銀色名古屋テレビ塔化粧直しだ綺麗になあれ
二月には滋賀の平野は緑色麦の若芽が畑を被う
雪雲の中に隠れた伊吹山麓の町も白の風景
梅咲いた東京芝の増上寺隣の客も微笑み返す
幸せを祈る日今日はひな祭り今も昔も心は同じ
ロビーには早咲き桜台飾り心沸き立つ春のおとずれ
待っていた杏の花が咲き出した笑顔絶えない少女のようだ
(無題)
満開の白木蓮が嬉しそう塀の外へも笑顔振りまく
鮮やかな朱色がいいね木瓜の花道行く人も立ち止まってる
花びらの赤紫の色がいい牡丹一輪テーブルの上
白い花満天星躑躅咲いている小鈴の形とても可愛い
春霞み伊吹の山の頂きは残りの雪が稜線示す
山肌のあちらこちらに桜花嬉しそうだね笑っているね
御忌大会二十七年増上寺桜舞う中詠歌唱える
ピリ辛の麻婆豆腐を食べている額の汗は納得の汗
食べているその頭から汗が出た山椒効いてる麻婆一皿
御忌和讃みんなで唱え舞を見る二十七年祖山の御堂
来月は端午の節句菖蒲の日鎧兜は男子のしるし
街路樹は薄紅色の花水木歌いましょうと君の誘惑
緑色四月の朝の滋賀平野麦の若芽がきらきら光る
躑躅には赤もピンクも白もある綺麗綺麗と助手席の声
初登り五月五日の愛宕山八重の桜に心清まる
愛宕山本殿前の石段に大阪講の石柱を見る
愛宕山参り終わって十五人月輪寺へ細道下る
月輪の寺の本堂横座り鈴鉦打ちて詠歌唱える
本堂の脇に手植えの樹木あり時雨桜は葉先の涙
庭先の白い小花の小手毬が今を盛りと姿見せてる
芍薬の赤も綺麗だ白もいい山のお寺の五月のお庭
伊吹山麓の村は田植えあと早苗が風に揺らめいている
晴れの日の五月半ばの滋賀平野水田は光り麦穂は靡く
たくさんの藤の花房棚の中甘い香りに君も酔ってる
六月の青葉色した生け垣の中に見つけた白い梔子
霊沢上人の師僧廓誉上人の墓を参拝して
大宮の如来寺に来て墓参り霊場巡り発願の僧
庭先の小鉢に咲いたアマリリス楽しそうだね歌っているね
梅雨入りの町の歩道の金糸梅黄色い花がこちら向いてる
(無題)
目の前で山崎ハコが歌ってた豊橋駅の横の劇場
眼科医の待合室は畳部屋初診者達の訴えの声
夏風に凌霄花揺れているオレンジ色は僕の慰め
雨の中御廟の前に集まりて選択集の通読をする
六月の滋賀の平野の緑田に朝登校の黄色の帽子
七夕の夜の星見て懐かしむ会えない日々の心の乱れ
イソトマは五つ花びら星のよう今宵の空に願いごとあり
七夕のその日研修知恩院月輪寺の解説をする
夏の日の道路の脇に咲いている日日草がとても元気だ
七月のカンカン照りの道端に僕がいるよと黄色向日葵
路地裏の階段下に咲いている桔梗の花の賑やかな顔
炎天下負けていないね百日紅素知らぬ顔で風に揺れてる
夏休み夕暮れ時の公園で父が娘にボール投げてた
八月の伊吹の山は雲の中麓の稲田黄緑の色
東京の被災者祀る慰霊堂写真絵画に惨状を見る
十四人千鳥ヶ淵の墓苑来て遺骨に向かい読経念仏
四日市車窓の外の田圃では稲穂垂れてる刈り入れ間近
善導寺和讃唱えて聞き直す京都岡崎スタジオの中
紅色の花びら開く曼珠沙華今年の秋も君を見ている
小学校九月初めのグランドは運動会の予行演習
中仙道昼飯の宿の如来寺の本尊拝み詠歌奉納
参道の隅で咲いてる玉簾白の花びら僕は好きだよ
ぷくぷくとピンクの花がはしゃいでる花虎の尾の咲いてる九月
ゆらゆらと風に揺れてるコスモスの季節が来たね君は元気か
照らされた九月の朝の伊吹山薄い緑の色が冴えてる
鉢植えのペンタスの花咲いていた赤く小さな五つ花びら
十月は金木犀の黄色花甘い香りが僕を酔わせる
白い菊黄色い菊もみんな好き秋の野道にそっと咲いてる
(無題)
名月に薄里芋栗供え二十七年一夜を過ごすv
秋の日の二十七年知恩院猊下口元和讃に合わす
十月の真澄の空の富士山が朝日を受けて喜悦している
光明寺晋山式の念仏は太鼓雲盤僧俗の声
秋の夜マリンタワーの窓の外港横浜光にぎやか
庭先の千日草は小丸花赤紫の色が可愛い
鎌倉の十夜法要光明寺野上上人導師堂々
鱗雲背にした秋の伊吹山真昼の時の姿もいいね
蓮華寺の開創千と四百の記念法要みんなの笑顔
紫の小粒斑点杜鵑草そっと咲いてる秋の坂道
玄関に秋明菊の花二輪花びら白く丸み優しい
石蕗の黄色の花が冴えている君と歩いた京都の小道
秋日和伏見の町の源空寺詠唱人と参拝をする
小松谷正林寺には子供達迎えの時刻親達も来る
粟生の町紅葉前の光明寺大阪講の詠歌額見る
秋晴れの京都嵯峨野の法然寺住職語る蓮生法師
二尊院本堂工事槌の音我等は和して詠歌唱える
寺町をそぞろ歩いて誓願寺帰りの道も何故か楽しい
大原の勝林院の堂内で詠歌唱えて舞を奉納
山茶花の朱色の花が笑ってる秋の陽だまり遊んで行こう
十二月ポインセチアの赤がいいランチで行った喫茶の窓辺
豊田市の福祉センター会場に三河の人が詠歌奉納
ロビーには赤紫のシクラメン君は笑顔で綺麗と言った
十二月灰色雲を背景に伊吹の山は褐色の肌
冬晴れの滋賀の平野の田畑には麦の若芽と耕耘の畝
牡蠣フライ初めはレモンそのあとはタルタルソースたっぷりつけて
クリスマス子供の頃の思い出を懐かしんでる今日の一日
水仙の白と黄色の花を見て君と過ごした冬思い出す