1月
サーカスの歓声聞いて歩いてる岡崎城の中のグランド
名鉄の人気の座席展望車過ぎ行く町の風景を見る
豆よりもチョコやチップの菓子を撒く二十年来我が家の流儀
土岐川の沿線走る車外には畦の黄色と田おこしの黒
中津川駅より北の大泉寺皆で唱える来迎和讃
晴天の立春過ぎの伊吹山僅かに残る谷線の白
澄んでいる二月なかばの富士山は空の青さと雪の白さと
人知れず静かに咲いた沈丁花僕は知ってる君の姿を
春近い名古屋の駅の摩天楼午後の日差しに反射している
伊勢の国松阪あたり車窓には収穫近いキャベツの畑
冬二月日没頃の奈良盆地黛色の西の山々
閏日の曇りの朝の伊吹山ところどころに残雪を見た
桃の花作る人から頂いた今日の節句は女子のお祭り
三月の朝陽を浴びた伊吹山光る姿は白雪のため
花麒麟刺の先には赤い花またの名前はキスミークイック
雪被る三月なかばの伊吹山麓の畑麦の苗色
岡崎の古いお寺の参道で寒緋桜の色と名を知る
春の陽のうららうららの田の道に黄色蒲公英明るい色だ
春山のあちらこちらに早咲きの桜咲いてる車窓のながめ
春の道甘い香りのフリージアそんな誘いも楽しくなるね
窓の外山口県の民家には赤褐色の陶器の瓦
九州の新幹線の案内はハングルがあり中国語あり
善導寺和讃の由来垂示あり台下の声を直接に聞く
満開の桜の中の善導寺創立記念詠唱の会
曇り空四月一日伊吹山淡い姿が慰めになる
大学の三回生に編入の二男の今日は宣誓の式
塀際の紅花常磐満作が年度始めの今日を愛でてる
4月
木の上も小道の中も桜花四月初めの芝増上寺
満開の桜の花の真ん中に凛と立ってる東京タワー
ランドセル初めて背負う子を連れて桜並木を歩く母親
三年目枝垂れの桃に花が咲く待ってた君の思い通じた
咲き始め薄紫の藤の花四月の風に少し揺れてる
念仏の信者はまるで白蓮華猊下の垂示御堂に響く
詠唱の大会それは法要と総裁猊下垂示の言葉
知恩院御忌詠唱の大会で猊下自ら和讃お唱え
暖かな春の陽射しが気持ちいい花いっぱい馬酔木咲いてる
少しずつ白い羽衣ジャスミンが咲いてる四月甘い香りだ
知恩院御忌の大会の朝模様御堂の祖師は御扉の中
七人の導師集まる顧問寮二十八年記念の写真
平成の二十八年御忌の庭猊下垂示を目の前で聞く
鳳詔の御櫃に向かい額つける古今不変の礼拝の行
平成の二十八年御忌大会一語一語を噛み締めて読む
諷誦文誦しつつ思う御指南の習礼のときの言葉数々
白い花たくさんついた小手鞠が好きと言ってた君のひとこと
あちこちに躑躅咲いてるこの五月赤もピンクも白も眩しい
萌黄色五月二日の伊吹山麓の町も緑一色
花水木咲いてる道を歩いたね夏が近づく季節の中で
雨の日の田中の道に子供たち赤青黄色傘の行列
詠唱の普及委員の研修会光摂殿は新舞稽古
東京の五月半ばの増上寺紺碧空に紅白の塔
イソトマの薄紫の花の群れ満天星を見ているようだ
微笑んで紫陽花見てる横顔を昨日のように思い出してた
窓辺には投げ入れられた薔薇の花ちょっと蕾んで恥ずかしそうだ
細長い雄しべ綺麗な花を見た未央柳は美人の由来
6月
生い茂る青葉の中に白木槿五つ花びら優しい色だ
遠江磐田の町の会館で詠唱人は笑顔の拍手
元気よくぱっと咲いてる銭葵赤紫の色の躍動
梔子の白い花咲く生け垣に二人近寄り匂い味わう
鉢植えはピンクの小花京鹿子絞り由来の名前楽しい
深緑六月下旬伊吹山梅雨雲かかり二色の妙味
梅雨空の京都の町をぶら歩き暖簾探して蕎麦屋に入る
六月の二十二日の知恩院祖師廟前にて選択を読む
向日葵が夏そよ風に揺れているニコニコ笑う君のようだね
街中の暑さを避けて喫茶店チョコのアイスのパフェを食べよう
八月の強い陽射しが好きなんだ松葉牡丹の花が冴えてる
ギラギラの光を浴びて咲いている日日草の赤は強靭
八月に黄色コスモス町の中小さな秋をちょっと見つけた
棚経のナムアミダブのその声にリンリンリンと虫が応える
たくさんの千日紅が咲いている赤い帽子のこびとのようだ
街路樹は赤い花咲く百日紅道行く人にお辞儀している
露光る黄色の花は金糸梅並び歩いた京都の小道
純白の翼広げているようだ見てて嬉しい鷺草の花
秋告げる黄色小花の女郎花その優しさが僕の慰め
色合わせ赤とピンクが面白い槍の形の花は鶏頭
7月
空青く緑色濃い伊吹山村の田んぼは秋風受ける
八月の最後一日伊吹山夏の姿も巍々としている
昔からコマーシャルを聞いていた伊豆の伊東の宿に一泊
温泉の大浴場に親子連れ夏の休みの思い出作り
蝉時雨伊豆の修善寺初参りいにしえ人のあとを探して
伊豆の国一望できるロープウェイ富士の高嶺も天城の山も
韮山の反射炉を見たその記念キーホルダーとハンドタオルと
秋九月奈良の教区の教務所で詠唱人と一日過ごす
埼玉の大宮駅の近くにて仏教各派詠歌奉納
秋彼岸赤い花なら曼珠沙華台風前の庭に咲いてた
秋なかばホテルロビーの大花瓶パンパスグラス花穂綺麗だ
知恩院六十五回大会の猊下垂示は無形の文化
10月
藪蘭の紫小花咲いていた僕は屈んで君に挨拶
花瓶には開き始めの藤袴淡い紫優しい色だ
十月は金木犀の花だより甘い香りが嬉しさ誘う
フランソワ四十年も前のこと恩師についてコーヒーを飲む
聖光寺二祖の御影はその胸に選択集を棒持しており
久美浜の本願寺にて雨除けの名号石を皆で参拝
鉄幹と昌子の歌碑に立ち止まる天橋立松の木の下
与謝蕪村句碑を目指してまた歩く十月朝の天橋立
河原町バスより降りて浄華院学寮生徒我等迎える
御詠歌と和讃金戒光明寺唱え終わりて手印頂く
夏詠歌和讃唱えた知恩寺で百万遍の念珠繰りする
知恩院弥陀本願の御詠歌と和讃唱えて満願となる
滋賀教区五十四回大会に出席をして詠歌斉唱
招かれた母校佛教大学の礼拝堂は開眼の式
今日京都華頂大学聖日に我は音楽法要導師
知恩院基金佛教大学の奨学生に挨拶をする
芒穂と泡立草が見えている伊吹の山も秋の暮れ色
和歌山の田辺の町を訪ね来て近畿詠唱大会に出る
御堂には京都文教中学と高校生の念仏の声
華頂女子高校生の授戒会に三十礼の礼拝をする
蕾から開花するまで見ていたよ毎日通る道の石蕗
秋の陽に公孫樹の黄色光ってる君と歩いた川端通り
浄土宗教師研修講義にて受講者ともに宗歌唱える
雨上がり十一月の朝の道七色光る虹を見ていた
女子校の校門横に咲いていた黄色小花のマリーゴールド
晩秋の焼津の宿に集まりて詠唱教司研修をする
山茶花の白い花びら光ってる冬の初めの京都のお寺
千両の赤と黄色の実が綺麗石垣の下僕は見てるよ
12月
知恩院十一月の日曜日紅葉の赤を君と眺める
豊田市の福祉センターホールにて三河大会詠歌奉納
十二月滋賀の平野の刈田には黄緑色の稲の二番穂
冬の朝名鉄電車の車窓には枯れ田の列と低い山々
玄関の淡いピンクのシクラメン行ってらっしゃいお帰りなさい
岡崎の竜美丘の会館で三河の人と新曲習う
すじ雲と飛行機雲が綾をなす木曽川橋の冬の夕焼け
掛川の駅の近くの冬田には陽射しを受けた切り株の列
静岡の法伝寺にて布教師の講座に参加ポイントを聞く
大井川いにしえ人の幻影が蓮台に乗り渡る光景
穏やかな浜名湖を見て山を見る遠つ淡海の国の風光
食事終えエレベーターを待ってたらポインセチアが僕を見ていた
新作の料理彩りあんかけと名前を付けて味を楽しむ
三人目冬至の南瓜言うお客総菜店の夫婦の言葉
平成の二十九年正月に誓うことあり口には出さず
元旦の朝日を受けて光ってる小学校の赤い山茶花
道端にそっと咲いてる水仙の白と黄色がとても綺麗だ
豊橋の山並み見える川岸に一人佇む一月二日
初参り正月三日知恩院導師となりて尊像仰ぐ
正月の総本山の玄関は青々とした松の粧い
臘梅の甘い黄色が面白い蕾の時も開いた時
冠雪の伊吹の山の姿見る二十九年一月の朝
一月の半ばを過ぎて雪が降る京都の町も冬のただ中
新年の挨拶をして唱えする吉水講の講習初め
知恩院成人式は雪の中誓いの言葉凛としており
晴れ間あり京都の町の雪景色お寺の門の屋根も純白
村々の家も田畑も雪なれど伊吹の山は別格の白
一月の十八日の定式導師九人歩み粛々
つやつやの椿の青葉光ってる赤い花びらそれも綺麗だ