住職、加藤良光の短歌・令和2年

 

詠唱の普及委員の研修に集いて皆で課題検討

青年憎の戒師を勤めて

知恩院阿弥陀堂にて式挙げる誓いの言葉声は清新

勢至寺の結婚式で華を撒く親族縁者祝いの儀式

晴天の秋野夕暮れ伊吹山その褐色の姿厳然

いよいよに紅葉の山となりにけり霊峰伊吹晩秋の朝

養老の律院古刹圓満寺皆で唱える和讃数々

晩秋の広島に来て夜歩く橋の向こうに原爆ドーム

ゆっくりとキャベツを蒸して麺を焼く甘辛ソース広島の味

広島のホテル階上来て見れば平和公園既に錦秋

広島の源光院の十夜会に弥陀由来を偲ぶ

坂の上長性院の本堂で十夜和讃を皆で唱える

誕生寺ゆかりの阿弥陀廣教寺法話終わりて飴撒きをする

錦木の色鮮やかな紅葉をひとり見ていた令和元年

冬の朝三門前の道行けば紅葉続く満天星躑躅

葉の色が薄い茜の夏椿冬の初めの京都のお寺

梔子のオレンジ色の実が並ぶ一年かけて待っていたんだ

岡崎の奄美丘に集まりて新曲和讃講習をする

岡崎の講習終わり帰り道藤川宿は稗田の黄色

ひとり立つメタセコイアの紅葉の姿が好きと我が友は言う

十二月七日の朝の伊吹山冠雪模様いよいよ粛然

知恩院大鐘楼の周りには黄色モミジが残っていたね

十二月半ば過ぎた滋賀平野靄に包まれ淡粧の様

咲いている淡白色の枇杷の花神宮道の坂の途中で

赤い実の唐鼠黐賑やかだ友禅苑の門のすぐ横

万両の赤く小さな実が光る友禅苑の小川の辺り

十二月雪香殿の前庭は桜紅葉の赤の敷物