住職、加藤良光の短歌・令和4年

令和4年に詠んだ短歌の続き(前回は令和6年1月号)を掲載します。

 

板塀を抜けて突抜忍冬が咲いてる四月微笑みの道

 

純白の脚聞の花も咲いている友禅苑は初夏の風景

 

赤い大紫躑目の前に数多花びら燃えるが如く

 

玄関に宝鐸草が咲いている腰を落としてゆっくり見よう

 

参道にピンクの豚聞咲いている地蔵尊者に生花の供養

 

緑なす五月初めの伊吹山覇気旺盛の初夏の勢い

 

代搔きの作業人あり滋賀平野五月日曜碧空の下

 

咲き始め梅花空木の白い花清楚模様は初夏の楽しみ

 

小手鞠が道にはみ出て揺れている白く可愛い姿楽しい

 

その花は淡いピンクの車輪梅参拝客に名前聞かれる

 

錦木の小さな花が咲いている忘れてないよ君の存在

 

伊吹山五月半ばの薄暮には深い緑の霊山となる

 

いい色だオレンジ色の山跡行きつ戻りつながめていたよ

 

楠は五月京都の花だより若葉と共に我を誘う

 

見上げれば青葉の中に柿の花左右の枝も群れ咲きの様

 

その形リボンのような雪ノ下見てて楽しい初夏の昼中

 

廟堂に上る手前の石段に皐月躑聞の花の出迎え

 

細い蔓細い五弁の白い花定家葛は慕情の形

 

花びらはピンクと白の色模様更紗空木を愛でる楽しさ

 

山法師青葉のかげの白い花見つけて嬉し初夏の邂逅

 

水槽に赤い睡蓮咲いていた諸行無常の尊師の教え

 

昼過ぎの諸堂巡りの道端に我を迎える白い睡蓮

 

女坂曲がる所に咲いている皐月豚聞の赤が輝く

 

潜り戸の脇に咲いてる車輪梅清楚な花弁可憐な雄志

 

真っ白な海桐花の花を待っていた小さいながら力ありそう

 

五月には友禅翁の生垣に大黄楊の花賑やかに咲く

 

増上寺朝の勤行参列す声を合わせて念仏一会

 

御導師許し頂く増上寺詠歌和談を皆で奉納

 

森下の駅より歩き記念館松尾芭蕉の展示物見る